シュシュ
これが、恋、なんだ。

初めての経験に、気づかなかった。

私、飛鳥さんの事が好きなんだ。

「・・・でも、みっちゃん」

「・・・ん?」


「これが恋だって気が付いても、

私は、飛鳥さんになんて言えばいい?」


「そんなに考えなくていいじゃない。

ただ好きだって、言うだけでいいんだよ。

・・・飛鳥さんは、薫子の事、好きだって言ってくれてるんでしょう?」


「…そうだけど、もし、私が好きだって言ったら、

飛鳥さんは嫌がったりしないかな?

飛鳥さんは、本当に私の事を、女として好きなのかな?」


「ふふ、いいね~、恋する乙女で」

みっちゃんはそう言ってニコニコとしている。

…こっちは、真剣に考えているのに。

プ~ッと口を膨らませ、怒ってみせる。

すると、みっちゃんは、私に諭すように言った。



「飛鳥さんは、薫子の事真剣に好きだと思うよ。

そうじゃなきゃ、キミ事件を笑って受け止めてくれないし、

薫子の悲鳴で、家まで駆けつけるなんて事、絶対しない。

だから、正直に、次に会えた時に、好きだって言うべきよ。

飛鳥さんはずっと待ってるよ?薫子が好きだって言ってくれるの」
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