シュシュ
目をパチクリさせる私に、

目覚めた飛鳥さんが、綺麗すぎる笑顔を見せた。


「・・・おはよ」

「・・・なんで」

その言葉しか出なかった。

体は硬直して、ただ眼を瞬きするだけで、それ以上は

動かない。


「・・・薫子の友達が中に入れてくれたんだ。

中に入ったら、薫子は寝てるし、声をかけたけど、起きないし」


「だ・・・だからって」

何で一緒に寝ているの?


「今日は2か月ぶりのオフなんだ・・・

だから、薫子の寝顔見てて、眠くなってきたから、

一緒に寝る事にした」

・・・。


・・・ん?2か月ぶりのオフ?

もしかして、2か月も休みなしで仕事してたの?

だから、私に連絡がなかったの?

私は黙ったまま、飛鳥さんを見つめる。


「…悪かったな。ずっと連絡しなくて」

「・・・いえ」


「でも、薫子も、俺から連絡しないからって、

一度も電話してくれなかったよな?」

「・・・忙しいかと」

それは本当に思っていた事。現に、飛鳥さんは、

休む暇などないほど、忙しかったわけで。
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