シュシュ
「優しいお兄さんなんだな」

「はい」

・・・静かに流れる音楽。

・・・時々する会話。


飛鳥さんは、私に話しを合わせてくれる。

仕事ばかりで、大した話題がないと言って。


・・・飛鳥さんと一緒にいると、

本当に、何もかもが楽しくて、見えてる景色も、

いつもと違って見える。


都会から離れ、約1時間。

目的地の海に着いた。…本当に、人はまばらで、

ホッと胸を撫で下ろす。

・・・でも、海で、何をしようか?

来たからすぐに告白なんて、そんな事は出来ない。


「少し、歩こうか?」

「・・・え?」

飛鳥さんを見上げると、優しい笑みを浮かべていて、

私の手を取ると、ゆっくりと浜辺を歩き出した。


何を話すでもなく、2人とも黙ったまま・・・

でも、その時間は窮屈になるでもなく、息苦しさもない。

穏やかで、居心地がいい・・・

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