君ノ声



栗色の髪

低く小さい体

その楽しそうな顔―


俺は、しばらく見とれていた


「っ!」


その子と目があった


「あっ…桜…綺麗ですね」

「そ、そうで…す…ね…」


しまったなあ、俯いてしまった

男、苦手なのかなぁ



「そ、それじゃ」

「あっ…」


俺の言葉を聞くことなく

その子は去ってしまった

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