大好きな彼に
別居して以来、ゆっちゃんは「親の方大丈夫?」など手紙に書いてくれた。
いっこうに同居に戻る気配はない。
お母さんからお父さんに対する愛が
…なくなっていた。
もう卒業式の練習ばかりしていた。
私は身長、低いのに1番うえの4段目に立っていた。
隣は昔は多分、私を嫌っていた、
眞鍋 里歩(マナベ リホ)だった。
女の子ながらも身長が高く、心優しいお母さんみたいな子だった。
可愛くて私が男だったら告白しそうな感じだ。
「卒業式泣くと思う?」
「莉季は泣くやろな、音楽式バリ泣いてたもん」
私は音楽式の時、もらい泣きと言うかまぁ、泣いてしまった。
終わった後、里歩に抱きしめられてさらに泣いてしまった事が印象深い。
卒業式の練習、辛いししんどい。
卒業式実行委員もしていたので大変だったが、由奈や美弥が同じ卒業式実行委員だったのもおり楽だった。
でも、目立ちたがりな2人のせいで2組は何もしていないと言われ由奈と美弥に説明してやらせて欲しいと願うとやりたいからと断られた。
この、自己中魔が。
こっちはこっちで大変なんだっての。
色々、言われて腹立ってんのに・・・。
私はため息をついて怒りをこらえた。