渇望男の潤いペット

あの海

ドラマの仕事が一段落ついたから、約束通りドライブに出掛けた

行き先はこの子と出会ったあの海

俺の車にはたくさんの濡れたバスタオルと、タオルの入ったクーラーボックスを入れていた

助手席には俺の美しいペット

「外に出るなんて久しぶり」

「足が渇きそうになったら早く言うんだよ。タオル替えてあげるから」

「何から何まで本当にありがとうございます」

俺のペットは申し訳なさそうに笑った

彼女の足にはタオルを巻いている

「外に出たいなら、可能なかぎり出してあげるよ」

「いいんです…私こんなだし、見つかりたくないから」

彼女が悲しそうにつぶやく

「そんなに帰りたくないの?」

「帰りたくありません。二度と…」

「じゃあ、再来年になったら結婚しようか!」

「え!?」

「いっつも引っ掛かるね!」

「だってビックリですよ!芸能人が私なんかって。私なんてお荷物で、何も得なんてしないのに」

「そんな事ないよ。一緒にいれて楽しいよ」

「ありがとうございます…でも考えるんです…このまま私は帰って、お金を時宗さんに払えば、少しは恩返し出来るかなって…」
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