渇望男の潤いペット
俺は慌ててマンションの駐車場に入った。

入口で専用のカードキーを指した瞬間、やっと安心する。

「もう大丈夫だぞ」

俺が後ろに声をかけると、彼女は後部座席後ろのバックスペースから真っ青な顔を出した

「ホント?捕まらない?」

「大丈夫だよ…今車を停めるから、家に入ろう」

俺は車を停め、彼女を車から出した

そして住人専用の特別エレベーターで最上階に行った

彼女が俺の腕にずっとしがみついている…

相当怖かったんだな…

なんて、俺もかなりビビったけど…

彼女の部屋に連れていき、俺は足のタオルを一枚一枚取ってあげる

「…時宗さん…」

「ん?」

「…私やっぱり帰ります」

「え!?」

「このままじゃ時宗さんが誘拐犯になっちゃうよ!」

「……そんな事気にしてるのか?」

「そんな事って!時宗さんは芸能人じゃない!犯罪者になんかなったら、一生がめちゃくちゃになっちゃう…」

「大丈夫、ちゃんとバレないようにしてるから…」

頼むからそんな事言わないでくれ…

彼女の瞳から大粒の涙がこぼれ出した
< 21 / 48 >

この作品をシェア

pagetop