渇望男の潤いペット
テーブルに置いていた、俺の携帯が鳴った

新しい彼女だ…

俺はゆっくり彼女から離れて携帯を手にとった

「もしもし…」

新しい彼女は楽しそうになにかを話しているが、俺にはもう彼女を抱く気にはなれない

俺の意識は全てあの美しい生き物に向いていた

満月はゆっくり起き上がって、乱れた服を直している

表情は…怯えていた…


「ごめん…君以外に大切な人ができたから―」

俺がハッキリ言うと、満月が視界の隅でこちらを振り向くのがわかったが、俺はあえて見ないようにした

「ごめん…」

彼女が懸命に何かを訴えているけど、聞こえない…

俺には響かない…

「ごめん…」

そう最後に言って、俺は携帯を閉じた




「また、傷つけた」

「まだ傷は浅いだろ?」

俺はまたテーブルに携帯を置いて、満月の前に座る

「ごめん、怖がらせたか?」

「あ、違うんです…、私…」

「無理しないから、ごめんな」

不安そうな彼女にゆっくり唇を這わせ、ゆっくり優しく舌を絡ませた

満たされる

「時宗さん…」

「ん?」

お互いの声が、お互いの中で響く
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