渇望男の潤いペット





人魚姫は最後、王子を殺すことが出来ずに泡になって死んだ


でも満月は本当は人間で、俺はあの娘を愛している


それなのに、最近毎日不安に襲われている…


あの娘が消えるんじゃないか


潤った後はこんな悩みを抱えることになるなんて…



俺はため息をついた

「どうしたんですか?山城さん!飲みましょうよ〜、ビンゴもあるし…」

ドラマの打ち上げだ

正直、飲んでる場合じゃないんだ…

部屋にカメラでも付けるかな…

真剣にそんな事を考えてる自分に、また恐ろしさを感じた

俺ってそんなに幸せになることに慣れてないのか?

はぁとまたため息がでる








一次会で俺はさっさと退散することにした

すごい大雨がコンクリートを打ち付ける

久しぶりの大雨

アレと出会ったのもこんな日だったな…





タクシーがマンションに着き、俺はエントランスを抜けエレベーター前で立ち止まった時、全身凍り付いた
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