渇望男の潤いペット






俺は仕事に没頭し、俳優として昇りつめた…

仕事をすることでしか、彼女との時間を忘れられる術を見つけられなかった



あの渇望は何だったんだろう…

あの快感は何だったんだろう…

今でも思い出しては不思議に思う

人魚が持つ特有の魔法だったのだろうか…



俺は二度とこの想いに巡り会うことはなかった

何年過ぎても魔法は解けない

今でも彼女を忘れられない

俺は誰も愛することはなかった





やがて時は過ぎ、彼女の過ごした痕跡が全て消える頃、俺はまた出会った


それは突然やって来た









ピンポーン…

真夜中のチャイム



俺は不思議に思いながら、ドアホンを取った
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