渇望男の潤いペット
「当選しましたね〜、宝田議員…」

「ほとんど同情票だよね」

メイクルームに入るとヘアメイクの子達が昨日の選挙の話をしていた

「おはよう」

「あ、おはようございます、山城さん」

「昨日の話?」

「はい、なんか昨日のコメントに感動しちゃって…」

「当選したのを妻と娘に祝ってほしかったって所です」

「ああ。宝田議員の娘さん、まだ見つからないんだっけ…」

「そうなんですよね…身代金の要求も無いまま半年以上も経って…生きてるんですかね…」

「奥さんも確か崖から飛び降り自殺したんですよね…心を病んでいたって聞きました」

「…俺、議員とかってどうも信用できないんだよね…娘だって家出じゃないの?って思うし…」

女の子達はびっくりしたように俺に視線を集めた

「だっておかしくない?報奨金まで出す執着ぶり…身代金出すからって言うのじゃなくて、見つけた人に報奨金。どう考えても家出じゃない?」

女の子達は顔を見合わす

「そんなにしてまで彼女を見つけたいなんて…本当に娘として見てるのか謎だよね…」

「え?それって…」
< 5 / 48 >

この作品をシェア

pagetop