渇望男の潤いペット
彼女は信じていなかった

「入っていたら食われてたかもしれないよ」

「本当に動物ですか?死体じゃないんですか?」

「じゃあ、耳をあててごらん」

俺は扉を指差した

彼女が耳をあてるとパシャパシャと音を立てているのが聞こえてくる

「動いている…?」

「そう、たいていこの時間は遊んでる」

「そっか…びっくりした…」

「俺は好奇心の強い子は大好きだよ…」

彼女が顔を上げた

「でも約束を破る人間は嫌いなんだ…」

彼女の顔が一気に青ざめていった

「もう二度と会いたくない…出てってくれ」

「そんな…私もう覗きませんから!そんな事…」

「俺はいつも約束を守ってくれる女性か試してしまう…君も今までの子達も、誰も信用できない。一回は一回だ。もう君は俺の中で裏切り者だ」

彼女は泣きながら荷物を持って出て行ってしまった

珍しく動揺して、傷つけてしまった…

もっと言い方を考えてやれたはずなのに…

俺はゆっくりまた鍵を開けた

中に入って優雅に泳ぐ姿を黙って見つめていた

女は疲れる…





「どうしたんですか?」

ペットの彼女が俺に気付いた

俺の人魚のペット
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