渇望男の潤いペット
彼女は珍しそうにプールから上がり、赤いロングワンピースを少しまくりながら俺の傍まで歩いて来た。

「お客さんだったんじゃないの?」

「追い出したよ。二度と来ない」

「…また、私のせい…」

「いや、約束を守ってくれないからだよ…」

俺は彼女の濡れた髪を優しく撫でた。



彼女は本当の人魚ではない。ちゃんとした足の人間だ


ただ、彼女は『人魚病』と医者に診断されたらしい…


精神科医に…



彼女が俺の隣に座り、黙ってテレビを見ていた。

壁と一体型の32型の画面には、朝のニュースが流れていた

「誰かに見られたら、私を帰しますか?」

「帰さないよ。君が帰りたいと言うまでは…」

…そんな時が来たら、本当に俺は帰すだろうか…

この子を…

「…え?」

彼女が思わず声を上げた。それもそのはず…

宝田議員が娘に使う報奨金を300万から、500万に引き上げたからだ

「そんなにしてまで見つけたいんだね」

彼女は下を向いた

「やっぱり私帰った方がいいのかな…」

「帰りたい?」

彼女が目いっぱい首を振った
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