ちょこれーとぼーい(♂)










 雨の音が声で一瞬だけ

 かき消されるほど大きな叫び声が

 空に響き渡る。



 しかもその叫び声の持ち主は

 告白された本人ではなくこの私。



 こんな大雨の中で幼馴染みに

 告白するなんて誰も思わないもの。







 「だ、騙されてるよ。
  涼ちゃんは見た目通り
  良い人じゃない………よ?。」




 高校生なのに何を思ってか黒髪から

 金髪にして太かった眉毛も細く剃り

 見るからにも"ヤンキー"。



 小さい頃から短気な体質で

 売られた喧嘩は負けるくせに

 買っちゃう馬鹿な人だ。



 まあ、しいていえば顔は

 ハーフ顔で整っている。


 イケメンっちゃイケメンだが…。


 きっとこの人は見た目が

 イケメンだからって理由で惚れたんだろう。


 そうだったら失望する前に

 私が現実を見せてあげないと。









 「…ってか貴女みたいな人は
  こんな人より
  もっと良い人がいますよっ!!!。」





 女子はいかにも"清楚"って感じ。


 どこかのお嬢様みたいな立ち方をして

 髪型もくるっくるっ。


 こんな美少女が学校にいるとは

 思わなかった。



 そんな人が涼太に釣り合う筈がない。









 ばしんっ。







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