ちょこれーとぼーい(♂)









 瞳さんに借りた服に手を伸ばす。




 涼太と遊ぶときの服装は

 短パンに上着はジャージという

 都会では有り得ないファッション。



 女のくせに"女子力"の"じ"すら

 かすりもしないほどの女子力の無さ。



 それでも涼太は

 "可愛い"って言ってたっけ…

 そんな涼太に感謝する。







 淡いピンクのワンピースの上に

 ビスケットの色をしたポンチョを着て

 全身鏡の前に立ってみる。






 「………てるてる坊主………。」





 顔が丸顔のおかげで鏡に映る私は

 雨の日に飾られる"てるてる坊主"に

 ……そっくり。




 着こなしの無さに愕然とする。

 自分の性別が女か疑いたくなる程に。




 あの高嶺くんのことだ。

 きっとこの姿見て嘲笑うだろう。











< 105 / 274 >

この作品をシェア

pagetop