ちょこれーとぼーい(♂)









 「美優…怖かったよな…。」




 その場にしゃがみこんでいる

 私の身体をぎゅっと

 優しく包み込むように


 悠馬の温かい胸の中にうまる。



 悠馬の温かいぬくもりを感じると

 流れていた涙も自然に止まる。







 「……美優っ……。
  1人にしてごめんな…。」




 "美優"と呼び捨てされるたびに

 どくん。どくんと高鳴り五月蝿く

 私の中で響き渡る心臓の鼓動。



 もう名前を呼ばないでって

 言いたいぐらいに


 波打つ早さが早くて

 この勢いだと悠馬までに

 この音が聞こえそう。






 「美優…もう1人にしないからっ…。」






 抱きしめる力がぎゅっと強くなる。


 私も悠馬の気持ちを応えるように

 恐る恐る悠馬の腰に腕を伸ばして

 抱きしめる。



 ………どくんっどくんっ…。


 悠馬の早く高鳴る鼓動が

 私の体の中に響いている。




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