ちょこれーとぼーい(♂)
この場を助けてくれる
救世主かのような
絶妙なタイミングで志麻にぃが
私の名前を呼ぶ声が聞こえる。
さっきまでキッチンにいた志麻にぃが
車の鍵に付いているリングの輪に
人差し指をはめて
くるくると器用に回らしていた。
「今、冷蔵庫見たんやけど
何も無かったから買いに行くで。」
「あ。うん。わかった。」
涼太も悠馬も「俺も行く。」って
手を挙げていうかと思ったのに
"椅子"のことで喧嘩している2人には
私と志麻にぃの会話は
全く聞こえて無いみたい。
私と志麻にぃはその隙に
リビングを飛び出し
志麻にぃの車が止まっている
車庫入れに行く。
「どうして男ってああなんだろ。」
いい年こいた2人が
些細なことで喧嘩って…。
ませてるような発言とか
しちゃったりするけど
中身はやっぱりおこちゃまなんだね。
溜息を漏らしながら助手席のドアノブに
指先が触れた瞬間━━━━…