ちょこれーとぼーい(♂)















 「俺の前で他の男の話すんなよ。」








 運転席の扉の前に居たはずの

 志麻にぃが私の身体を車の扉に押して

 顔の隣に両手をついた。



 これは俗に言う

 "壁どん"って言うやつだ。








 「し…し……志麻にぃ……??。」







 勿論冷静になれるわけがなく

 限界を知らない心臓の鼓動が動き出し

 どくんっと大きな波をうつ。



 体全身が発熱したように熱くなり

 手には汗をかいて

 頬は真っ赤に染まるのが分かる。





 志麻にぃとの顔の距離は近く

 昨日おでこにキスした光景が頭に浮かぶ。




 そのせいで見つめてくれている

 志麻にぃの顔を

 私は見つめることができずに



 視線を志麻にぃの靴元に落とす。







< 138 / 274 >

この作品をシェア

pagetop