ちょこれーとぼーい(♂)











 涼太のおでこに触れようと手を伸ばす。










 ぱちんっ。







 指先がおでこに後数cmの距離で

 触れそうになるところで私の手を弾く。




 ……えっ。


 な…なんで。

 なんで私の手を弾いたの…。





 まさか涼太に

 拒まれるとは思っても見なかった…。



 昔は普通に触れてたのに…。





 寝起きだったし

 きちんとするまで

 触られるのが嫌だったのかな。




 私もぼさぼさのまま

 触られるのは

 気が引けないし。




 うん。


 そうだよ。





 朝だから嫌だったんだ。






 しばらく涼太の顔を見つめていると

 涼太の顔が真っ赤に染まり俯いている。








 「わ…わりぃ。」


 「ううん。こっちこそ…ごめんね。」








 なんだろう。



 この気持ち。




 ただ私に触られるのが

 嫌だっただけなのに



 なんで胸が痛くて…



 呼吸の仕方を忘れたかのように

 苦しくて…





 涙が溢れそうな感じがするんだろう。









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