ちょこれーとぼーい(♂)







 


 このまま涼太の顔を見てると

 涙が溢れてしまいそう。




 隣で寝ている悠馬を

 起こさないように

 ゆっくり立ち上がる。








 「……どこ行くの。」





 涼太の声が後ろから聞こえ振り返る。



 涼太が両手で持っていた枕を

 私のお腹に向けて

 当っても痛くないように軽く投げる。



 ばしんっ。



 お腹にあたった枕は

 下の敷いてある布団に落ちる。






 「ご飯作ろうと思って…。」


 「駄目。」

 「…えっ。」


 「俺と遊びなさい。ばーかっ。」





 涼太が無邪気な笑顔を見せて

 舌を出してあっかんべーをしている。




 それをみてほっとした。





 なんだ…。


 嫌われてないんだよかった。






 私は涼太の体に向かって走り

 悠馬が寝ているのにもお構いなしに


 お布団にダイブして

 落ちていた枕を持って

 涼太に投げた。







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