ちょこれーとぼーい(♂)









 何かが落ちる大きな音が

 図書室の入口付近から聞こえた。








 「……ひ、輝くん。
  今、なんか聞こえなかった…??。」



 「……せ、先輩もですか…
  …ぼ、僕もです……。」


 「……ま、まさか…」


 「先輩……
  …それ以上言わないでください…。」





 輝くんと私は手を繋いで

 2人揃って体を震わせながら

 入り口の扉を見つめた。





 ……お化けとかは

 全く信じない派だけど

 いきなり音が聞こえると…驚く。



 でもやっぱり怖いぃぃぃ……。






 輝くんの体は時間が経つたびに

 震えが強くなり

 チャームポイントの大きな瞳から


 涙を潤し半泣き状態。





 ……うぅ、



 泣き顔も可愛らしい……




 って、違う!!!!


 私が輝くんの為に見てこなくちゃ。



 私は輝くんの握っていた手を離す。






 「……せ、先輩?!?!。」



 「ちょっと見てくるから
  ここで待ってて!!!!。」






 もしかしたら不審者かもしれないし



 もしかしたら

 誰かがぶつかっただけかもしれない。



 2人でビクビクしてても埒が明かない。






 輝くんは完全に怯えてるし


 ここは年上の私が、

 見に行くしかないだろう━━━…。






 どきどきと高鳴る心臓の鼓動を

 抑えながら



 ゆっくり図書室の扉の前に立つ。








 「…ふぅ〜…」








 大きく深呼吸をしていざっ出陣!!。









 ……がらがらっ。









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