ちょこれーとぼーい(♂)
廊下に出ると
悠馬が壁に背中をつけて
もたれ掛かり、
床に座っていた。
頬は出会った時と同じように
真っ赤に染まっていてとても痛そう。
頬に触れたくて手を伸ばそうとした。
けど悠馬がこっちを向いた瞬間、
さっきの出来事が浮かび
胸がしめつけられる感覚に襲われ
伸ばしていた手を止める。
「………美優…あのな。」
「……何も聞きたくない。」
何が起きたのかは知らないけど
目の前でキスしていたのを見たのは
紛れもなく真実。
誰にでもしちゃう"キス"。
……それも"友達"だからって理由で…。
そんな人と友達で居たくない。
「………悠馬なんか、友達じゃない。」
冷たい言葉を吐いてその場を走り去る。
………………悠馬の馬鹿。
誰にでもキスしちゃう人…
………私、大嫌い。
私の瞳から涙が止まることは無かった。