ちょこれーとぼーい(♂)














 荒くなる2人の呼吸が重なり


 外で降っている雨の音と共に

 保健室に響いた。






 「せんせぇ。手当してぇーっ。」






 入口付近から生徒の声が聞こえる。



 そんな事、お構いなしに


 辛くなるほど

 お互いの目を合わせて




 雨の音に紛れ聞こえる

 志麻の「愛してる」










 志麻のその唇と私のこの唇の

 距離が0になる━━━━━━━…。



 






 口の中に

 ホットチョコの甘い味と

 煙草の味が混ざり合う。



 混ざり合った味は

 大人の味のような気がして

 ちょっとだけ優越感に浸る。




 「…最低。」



 ぶっきらぼうに言い放つと

 志麻は微笑みながら

 耳元で「犯すぞ」と言った。



 ぞくっ。と

 体が武者震いし

 全体に鳥肌を立たせる。





 ベットから降りると

 何ごともなかったように


 白衣をはらい

 仕切りのカーテンを

 軽く開けて出ていった。








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