ちょこれーとぼーい(♂)










 ………ぐぅぅぅ……。






 「!!!!!!。」




 こんな絶妙のタイミングでお腹が鳴る。



 黒縁眼鏡くんの方まで聞こえていたのか

 ちょっとびくっと肩が動いた。


 隣に居た古市くんは「あはは!!」と

 お腹を抱えて笑っていた。


 他の皆の視線も黒縁眼鏡くんではなく

 私になっていた。




 こんな大勢に視線を向けられたことは

 無いので恥ずかしくなり

 顔が真っ赤になる。






 ひ、ひぃぃぃぃぃ………!!!!!。







 今すぐ逃げたくなり

 その場から離れようとすると

 再び二の腕を掴まれた。


 恐る恐る振り返ると

 掴んでる人は笑っている古市くんだ。





 「あ~。おかしっ。
  気にいっちゃった。」

 「……えっ。」




 ……気にいっちゃったって

 なにがですかあぁああ。





 「名前と学年は?」

 「………柏崎美優………。2年。」




 聞かれた質問を

 勇気振り絞って言ってみると

 古市くんの顔は驚いていた。





 …え。私、おかしな事言ったけ……。





 すると掴んでいた二の腕を離して

 「ありがとう。柏崎"先輩"♪」と言って

 手のひらをひらひら動かしていた。




 ……先輩??。


 えっ、まさか古市くん年下だったの?!。

 ……最近の子は大人っぽくて怖い。




 そんなことを思いながら

 渡り廊下の扉の前から素早く立ち去る。










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