ちょこれーとぼーい(♂)







 「ごめんなさい。
  俺、柏崎"先輩"と話してるんで
  ちょっとだけ
  貸してもらえませんか??。」





 私のことを"お前"と呼んでるので

 "柏崎先輩"と改まって言われると

 気持ち悪い。



 しかもお得意のため語では無くて

 敬語だし…。



 ため語に慣れた私には

 なんだか高嶺くんが別人に見える。







 「……どけよ。」


 「嫌です。」

 「どけって言ってんだろ。」

 「……んもっ。しょうがないなあ。」




 何度か同じ会話を続けていると

 高嶺くんがようやく折れたのか

 涼太の席から立った。




 ……はぁ。涼太がきれる前でよかった。



 と一安心していると

 高嶺くんが私の腕を掴んで

 引っ張り立たせる。




 「……っちょ!!!。」



 涼太の席に座れないからって…


 年下のくせに

 わざわざ私をどかしてまで

 椅子に座らなくても良いじゃない。




 



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