Memory of the dawn
とある少女の記憶
小さな村がありました。
とても貧しい村でした。
村人たちはお金もなく苦しんでいました。
ある一人の老婆は言いました。
「誰かこの村の一人を山神の生け贄にしてしまおう。そうすればこの村は助かるかもしれぬ。」
一人の村人の言葉に若い女が言いました。
「誰を生け贄にするのでしょうか?」
その答えに老婆は
「いるじゃないか。少し離れた場所に親をなくしたあの妬ましい小娘が。」
老婆の答えに村人のみんなはそれはいいと頷き賛成しました。
「なら明日の日の出のときにあの小娘を連れだそう。」
「あぁ、そうしよう。」
村人は静かに、うっすらと笑みをこぼしたのでした。