Memory of the dawn
 

歩き続けて何時間経ったのかわからないほど少女はずっと歩き続けました。服はあちこちに破け、靴も泥だらけ。木の枝などで擦りむいてしまった頬には血が垂れていました。体力の限界もきていました。
それでも少女は歩くことを止めませんでした。  
少女は呟くような声で言いました。


「すてられた....。いらない、子....だから....。」


少女の瞳に一筋の雫が落ちました。
ひたすらに歩き続けました。
休むことなく歩き続けました。
足が痛くても歩き続けました。
ただただひたすらに歩き続けました。
溢れる涙も拭かずに......。

やがて少女はフラフラと倒れてしまいました。もう歩く体力など残っていませんでした。

そこに二匹の大きな狼みたいな獣が現れました。
獣は徐々に近づいてきます。


「こっ.....こで....、おわ....るっ......。」


そう、呟くと少女は静かに瞳を閉じました。
< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop