アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】
慣れた手つきで、
助手席のドアを開け、私が乗るのを支えてくれた。
「ありがとうございます」
助手席のドアが閉まり、
小野田さんが運転席に乗り込み、静かに発進した。
「会社まで、送りますよ」
私の方を向き、笑顔で言う小野田さん。
「そ、そんなっ、お店までで結構ですよ
そこまで甘えるワケにはいきませんっ、
営業車も止めたままですし…」
それは、ホント、数少ない営業車、明日、誰かが使うかもしれないし…
「まぁ、まぁ、いいじゃないですか、こうゆう好意には甘えるもんだよ」
私の肩を軽く置いて覗き込むようにするから、
ちょっとびっくりして背中を引く
そんな私のしぐさに微笑んで
ハンドルに手を戻した。
何か、スゴイ、大人の余裕な笑顔…
少し、胸がざわめいた…
そして、ある事実に気がつく…
男性との出会い…前からの知り合い…
【災い転じて福となる】
昨日の占い師の言葉が、頭の中を何度も巡る…
ま、まさか…ねぇ?…
チラ、と横目で、運転席の主の横顔を見た。