アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】


慣れた手つきで、
助手席のドアを開け、私が乗るのを支えてくれた。

「ありがとうございます」

助手席のドアが閉まり、
小野田さんが運転席に乗り込み、静かに発進した。


「会社まで、送りますよ」

私の方を向き、笑顔で言う小野田さん。

「そ、そんなっ、お店までで結構ですよ
そこまで甘えるワケにはいきませんっ、
営業車も止めたままですし…」


それは、ホント、数少ない営業車、明日、誰かが使うかもしれないし…


「まぁ、まぁ、いいじゃないですか、こうゆう好意には甘えるもんだよ」

私の肩を軽く置いて覗き込むようにするから、
ちょっとびっくりして背中を引く
そんな私のしぐさに微笑んで
ハンドルに手を戻した。

何か、スゴイ、大人の余裕な笑顔…
少し、胸がざわめいた…


そして、ある事実に気がつく…


男性との出会い…前からの知り合い…


【災い転じて福となる】


昨日の占い師の言葉が、頭の中を何度も巡る…


ま、まさか…ねぇ?…


チラ、と横目で、運転席の主の横顔を見た。

< 11 / 165 >

この作品をシェア

pagetop