アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】
藤井くんは私に全てを話してくれた
藤井くんは、政治家の藤井裕一郎の息子であること
私の会社のマネージャーにゆすられていたこと…
あの日、私が会議室で見たことは、誤解であること…
包み隠さず答えてくれた
「そう…だったの…」
ソファーに座った私は、全てを聞いて深くため息をつき、俯いた
「藤井くん…
藤井くんが、私を好きだと言ってくれて嬉しかった…
藤井くんが、悪いヒトじゃなかったことも安心した
でも、こんなことは、ダメよ
藤井くんだって、いけない、ってわかってるよね?
お願い…私を解放して?」
もう少しで、涙が零れそうだったけど、しっかりと藤井くんを見つめる…
「…いけないこと、してるって、自分でもわかってます…
だけど、あなたを他のヤツに渡したくない…
行かせたくないんだ…
彩月さん、あの時、俺に抱かれたコト、後悔してるの?」
それを言われると、なにも応えられなくなった
だから、答えが見つからず
俯いてしまった…
次第にやりきれなくなって胸の奥が締め付けられて涙が零れた…
「…っ、うっ…っ…」
「彩月…さん…?」
瞳から零れ落ちた涙が、膝に置いた手の甲にポタポタと落ちる…
「藤井…くん…あの時の…コト…
後悔なんて…して…ないわ
藤井くんに、抱かれても、イヤじゃ…なかった…
だけど…私たち…
掛け違えた…ボタン…みたいに、なっちゃったのよ…うっ…っ…」
一度掛け違えたボタンは、もう元には戻せない…
私の中では、そんな答えしかでない