アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】

「彩月さん…」


タキさんが、再び、私の様子を見に来てくれた
両腕で身体を起こし、枕を支えにベッドの背に凭れた


「タキさん、ごめんね、心配かけて…」


タキさんは床に膝をつき、私の手を握りながら、首を左右に軽く振った


「いいえ、お世話をするくらいしか私にはできませんから…

それよりも…彩月さん…
今、あなたのお友達がいらっしゃってるんです
お会いになりますか?」


え…?
友達…? 一体誰だろう…?
このマンションを知ってる友達なんているハズないのに…
不思議に思って、首を傾げると、


「小笠原さんという女性の方と、小野田さんという男性の方ですが…」


「えっ?! ホン…ト…ですか?!」


驚いてタキさんの手を掴み、見上げると、しっかりとタキさんは頷く
でも
なんで2人がココを知ってるの?!
大きな疑問はあるけれど、2人が来てくれたことに安堵した


ベッドサイドテーブルに置いてあったルームウェアに着替え
タキさんが持ってきてくれてたストールを肩に掛け
タキさんに支えられながらリビングへ向かった


リビングには、千夏と小野田さんが
テーブルを挟んで、藤井くんの向かいに座っていた


「先輩っ!!」


ソファーから立ち上がり、駆け寄ってくれる千夏


「千夏ぅ~」


「せんぱぁいぃぃ」


支えてくれたタキさんの腕からそっと離れ、千夏に抱きついた



「先輩、ほんっとに心配したんですからねっ!無事でよかったぁ」


千夏の瞳から、涙が溢れそうになってる…


「先輩、痩せました?それに、顔色よくないですよちゃんと、ご飯食べてました?」


ペタペタと私の身体を触り確認すると、
私の身体を支え、一緒にソファーに座らせてくれた
そんな私たちの様子を、目を細めながら小野田さんが見ていたのに気付いた


「小野田さん、お久しぶりです
すみません 小野田さんにまでご心配かけて…」


「いや、いいんだ、君が無事なら」


私に優しい笑顔を向けてくれた
そして、
向かいに座る藤井くんに視線を戻すと、小野田さんの顔つきが変わったのがわかった


「それで、先ほども伝えたように、このことが公になれば、
君も、君の父親 藤井裕一郎氏も、兄の恭介氏も、
政治活動に影響が出るよ

知事を狙う裕一郎氏だから、例え…ごめん…ハッキリいう…
愛人の息子の君の悪行を、県民が許すハズないと思うがね…


悪いが、俺は、君より長く生きてきたぶん、
あちこちに、知り合いがいるんだ良いのから悪いのまで…ね…」


両手を組み、藤井くんを鋭い瞳で見据える小野田さんは、
大人の顔をしていた


藤井くんは、膝に置いた拳に力が入り、
口元はキュッと結ばれ、視線を落としてる








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