アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】

もぉー、航ってばっ


「藤井くん、元気でね、タキさんにはお世話になったから、宜しくつたえてね」


「はい、彩月さんもお元気で」


穏やかそうな笑顔を私たちに向け、藤井くんは去って行った


「藤井くん、落ち着いた顔してた…ヨカッタ…」


藤井くん…
私なんかを好きになってくれてありがとう…
心の中で、呟いた


「彩月、行くぞっ」

航が、私の手を引く

「うん」

私たちも店を出て、
駐車場に停めてあった航の車の助手席に乗った


航が、左の掌を私に差し出す

うん?

「彩月、手…」

ん?手?

そう言うので、私の右手を
航の手に乗せれば、

恋人繋ぎ?をしてきた


「お前、こうしてた方がいいんだろ?」


「う、うん… なんで知ってるの?」


「まぁ、何となく…な…」

走行中
運転する航の横顔をずっと見つめた


「なんだぁ?彩月 キスでもしてほしいのか?」


私があまりにも見つめ続けるので、チラリと視線をやり、意地悪く言う


「う…ん、って、違うわよっ ちゃんと前見て運転してよねっ」


前を見ながら、ニヤリと笑う航…


「素直になれよなー キスなんて、あとでいくらでもしてやるよ」


「なによ、もぉ~
それより、どこ行くつもりなのよ~?」


「さぁね」


んもうっ


航のハイブリッド車の静かで気持ちがいい乗り心地に
私は、意識が薄れ、眠ってしまった






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