アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】

――――――――― 到着ロビー。




「古宮さん、今日はありがとうございました。」


深々と、45度の角度で、私にお辞儀をする藤井君。


「お客様、水に流してくれる、って仰ってたから、良かったわね。
私も、ホッとした。」


ホント、そう…
何もミスがないことが最低限の約束。
お客様にとっても、一生に一度のことだもの、
怒鳴られるの覚悟の上だったけど、広い心で許してくれたしね。


「じゃー、お疲れ様」

クルリと踵を返し、一歩足を踏み出し
携帯をカバンから取り出し、航に連絡しようとすると、


「あの、古宮さん」

藤井くんが、私を呼ぶので、振り返った。


「お詫びに、これから食事でもしませんか?」


え? 食事?…なんで…?


「藤井くん、そんなお詫びだなんて、気にしないで。これも仕事のうちだから。」


開いていた携帯を閉じて、手に納める

この後は
航との約束もあるし…


「ゴメンね、これから先約あるの、今日は本当にお疲れ様」


「彼氏…ですか?」


は、はいぃぃぃ~?

彼氏…って…
彼氏なんて、イナイわよ! からかいたいのかしら?!


「そ、そんなんじゃないケド…今日はダメなの、ゴメンね」


掌を合わせ、誤った。


「じゃ、次は絶対付き合って下さいよ、約束ですよ」


藤井くん…ご、強引だナァ…


曖昧に返事を濁らせ、携帯を開き航の電話番号を押し
耳にあてながら、ラウンジへ向かった。








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