アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】
全身黒ずくめで、
おかっぱ頭に真っ赤なルージュ、歳は40代後半?。
一度見たら、忘れなられない人だと思う。
その人に向かいに座り
生年月日を聞かれ、ゆっくりと告げると
おもむろにタロットカードを切り、机に並べ出す。
「んー、3年前の恋が尾をひいてるね?」
「は、はぁ…」
そんな私の声を聞いたか聞かないかして、
「まぁ、そんなのはいいさ、
それはそれで良かったんだから。
あんた!良くお聞き!」
お聞きって、アンタ、魔女か、女王さまか?!
「『災い転じて福となる』だね、
今後、複数の男との出会いがある、
出会いと言っても、
どの男もあんたが会ったことあるヤツか
知り合いばかりだねぇ…」
タロットカードをじっくり見ながら
ふむむむ、と一人で頷く占い師。
そんな知り合いとか会ったコトあるとか
ぜんっぜん、検討つかないんですけどぉー
「ははは、困った顔してるねぇ…
ま、明日からの1週間あんたの人生で
いろんなコトが起こるだろうね
もし
見極めに困ったら、またココへ来るといいよ、
今度は、予約してから来ておくれよ!」
おくれよ、って、どの時代の人よ?!
占い師から、どピンクの背景に黒の文字の名刺を渡された。
うげっ、こんなの、キャバ○ラの名刺みたいじゃんっ!
「あ、ありがとうございました」
個室を出ると、ニヤニヤした千夏が私に視線を向け待っていた。
「先ぱぁーい、どぉでしたぁ?」
聞きたくて堪らない表情の千夏。
「はいはい、とりあえず、出よっ」
私は、千夏の背中を押しながら、二人で、階段を上がった。