ムショクノセカイ
「俺、剣道やるだろ?」
「あぁ」
「別に俺は剣道が特別好きじゃねーし、寧ろ嫌いに等しい…。」
言葉を途切らせる竜也。

「別にいいよ。無理して言わなくても…。」
「いや、言う。
俺はお前みたいに勉強できねーし、何も取り柄なんてなくてさ。
親父にボロクソ言われてよ……じゃあやってやろーじゃねーか。
ってのが剣道始めた理由。
ただ……自分のプライドを守りたかっただけなんだ。」
唇を強く噛み締める竜也。

「……いいじゃねーか。
俺になんて、守りたいモン?
そんなのねーよ。
ちっちゃなモンでも、でっけーモンでも変わりゃしねーだろ?」
「安良………」
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