神様 たすけて
凛は 気持ちが重いまま 制服に着替え 準備をして登校した。
靴を下駄箱に しまおうとすると シューズが無いことに 気づいた。

近くを探しても 見つからない。
シューズがないので 靴下のまま 教室に入った。

クラスメイトの視線が 冷たく凛に刺さる。

机の上を見ると 読めないほどに 書かれた落書き… 黒や赤の油性マジックで びっしり書かれている。

雑巾で拭いても 拭いても 落ちない落書き… 泣いてしまえば 負けだと思った凛は 必死に涙を抑えた。

机の中に入れていた 教科書やノートが 無いことに気づく。 慌てて探すが どこにも見つからない。

周辺を探そうと 辺りを見回すと ゴミ箱から教科書らしき本が 飛び出しているのが見えた。

確かにそれは 自分の名前が書かれてある 教科書とノートだった…。

机の落書きを消すのを諦め、教科書とノート全部を カバンに詰め込む。

脳裏に浮かんだ 良恵、遥、絵美の元へ 足は歩き始めた…。
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