神様 たすけて
それから 凛は眠れない夜が続いた…。

目を閉じると 私の上で にんまり笑う 父親の顔が浮かんで… 鍵を閉めているドアが ノックされるようで… 凛は脅えていた。

どのくらい 泣いただろう…?
泣きすぎて 瞼が腫れている。

今なら お母さんに言えるような気がする…

勇気を出して リビングに降りた凛。

しかし 里恵の姿はない…。

「お母さんっ お母さん!!」
凛の精神力で 振り絞った 最後の叫びだった。

すると 一階の寝室から 隆文が現れた。
凛は 言葉を失う…。
「眠れないなら 一緒に寝てあげるから おいで…」
凛の手に 隆文の手が延びるー

その瞬間ー 玄関の扉が開いた。
「ただいまぁ」 里恵が帰ってきた。

「お母さぁん!!」 里恵の元に 駆け寄る凛を 隆文の手が 引き止めるー
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