神様 たすけて
田村は 帰宅していた。

どんな顔をして 凛に話を切り出したらいいのか そればかりを考えていた。

次第に見えてくる 自宅には 灯りがついている。

「凛さんは どう言うだろう…? 何もできなかった私を 責めるだろうか…? 何も出来ない私は 最低だわ…。」

田村は小声で 呟きながら歩いていると 自宅の前に着ていた。

凛に言いたくない思いを抑えて 震える指先で 鍵を開け 自宅へと入った。

田村が「ただいま」 凛が「おかえりぃ~ せんせぇ」 笑顔で迎えた。

田村には 凛の笑顔が痛いほど 心にしみた。

凛さんの笑顔は 奪いたくない… だけど 凛さんのためだと 自分に言い聞かせた。
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