花蓮~麻美が遺した世界~【完結】

「…あのさ」

笑顔で俺は侑美ちゃんを見た。
その顔に侑美ちゃんは目を泳がせる。

じりじりと近付くと、

「麻美のこと、悪く言うんじゃねえよ!」

俺はそう叫んでいた。

そのまま、俺は側にあった自転車を思い切り蹴飛ばした。
ガシャガシャと自転車が倒れて行く。

侑美ちゃんは突然の事で、顔が真っ青になっていた。


「俺が嫌いなのは陰口をたたく奴、嘘つく奴。
とにかく曲がった奴は大嫌いなんだよ。
だから、俺があんたに惚れることは金輪際ない。
理解してくれた?
アンダースタンド?」

「………」


目を見開いて、俺を凝視する侑美ちゃん。
そりゃそうだ。
俺がこんなに切れる事、まずない。


言葉を失ってる侑美ちゃんに俺は更に続けた。


「侑美ちゃんが光の元幹部って事も聞いた」


今度は吃驚した顔を見せる侑美ちゃん。
バレてないとでも思ってたのだろうか。
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