花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
なんだろ、最近過去と現実とが交錯し過ぎていて、頭がパンクしそうだったから。


きっと。
侑美ちゃんに会って、麻美を思い出したから。


麻美の事をどれだけ好きか…再確認してしまったからだ。


女の子と関わらず、付き合いたくないって思ってたのは…きっと。
余計麻美を忘れられなくなるからだ。

それに、俺はやっと気付いた。


拓と、時間と場所を決めると電話を切る。
今日は、生憎の雨だ。

だからこそ、拓に連絡をしたのだけれども。

拓は土木工事などをしているから。
雨の日は休みだった。


ニッカポッカを履いて、タオルを首に巻きつけてる拓の姿は正に男って感じだ。
汚れた顔を拭って、見せる笑顔にきっと、菜々美ちゃんは夢中だろう。

俺だって魅力的だと思う。


流石にバイクに乗る気になれないな。
俺は靴を履いて外に出ると、ビニール傘を手にした。

鍵を閉めて、駅前へと向かう。


拓の家と、俺の家の中間が駅だったから大体待ち合わせは駅前。
まあ、拓は車乗るし、迎えに来てもらう事も多いけど。


今日は雨だし、菜々美ちゃんが車使ってるらしいから拓もきっと徒歩。
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