花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「夏樹、元気かなー」
「俺も式以来会ってないなあ」
「哲もか」
「電話や、メールはしてるよ」
「…女子か!」
「あはは」
「夏樹、本当にあかりちゃん大好きだよなー」
「ねーあかりちゃんもだけど」
「羨ましい限りで」
「お前もじゃん」
「まあな」
「うわ、ノロケ。ムカつく」
そうやって、ドヤ顔する拓の肩にパンチをする。
がっしりしてる拓の肩には全く効かないみたいで、へらへら笑っていた。
菜々美ちゃんと、拓きっと結婚するんだろうな。
ああ、幸せっていいなあ。
「麻美がいればなー」
「は」
思わず、俺の口からそうポロっと出てしまった。
それに目を真ん丸にした拓。
「いや、麻美がいたら俺もラブラブだったのかなって」
「あー…まあ、そうだったろうな。
でも、麻美の性格考えたらラブラブではないかな」
「だろうな」
キスとかはすぐに済ませるかもしれないけど、初めての日ってのはもう、ドキドキ止まらなかったりして。
そんな事を軽く想像する俺。
「…他の女ってのはもうないの?」
「え?他の女?」
麻美の事を考えてた俺に、急に拓がいやに真面目な言い方でそう言う。
だから、俺も素っ頓狂な声が出た。