花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
拓が去って行った後も、俺は暫く呆然とその場から動けなかった。
痛む頬なんかより。
俺は拓がいない方が…辛かった。
「………」
それから、俺は携帯を取りだすとある人に電話をかける。
呼び出し音が俺の耳元で聞こえた。
「はい」
暫く経って聞こえた声。
その声を聞いただけで、胸が自然と温かくなった気がした。
「…夏樹?」
「どーした」
相変わらずの、その声。
「…………拓、に…嫌われちゃった……」
「はあ?」
実感すると。
言葉にすると。
こんなにも苦しい。
「ねえ。昔の俺って、どんな?
今の俺って…どんな?わかんない」
「…何があったんだよ」
心配する夏樹の声。
色々言いたいのに、言葉に出来ない。
麻美を忘れなきゃってわかってんの。
わかってんだけど、出来ないの。
俺にはまじで、麻美しかいないの。
どうやったら、好きになれるんだろう。
人を、好きになれるんだろう。
わかんない。
痛む頬なんかより。
俺は拓がいない方が…辛かった。
「………」
それから、俺は携帯を取りだすとある人に電話をかける。
呼び出し音が俺の耳元で聞こえた。
「はい」
暫く経って聞こえた声。
その声を聞いただけで、胸が自然と温かくなった気がした。
「…夏樹?」
「どーした」
相変わらずの、その声。
「…………拓、に…嫌われちゃった……」
「はあ?」
実感すると。
言葉にすると。
こんなにも苦しい。
「ねえ。昔の俺って、どんな?
今の俺って…どんな?わかんない」
「…何があったんだよ」
心配する夏樹の声。
色々言いたいのに、言葉に出来ない。
麻美を忘れなきゃってわかってんの。
わかってんだけど、出来ないの。
俺にはまじで、麻美しかいないの。
どうやったら、好きになれるんだろう。
人を、好きになれるんだろう。
わかんない。