花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「……店長、酒臭いっす」
そう言うのはキム。
「まじで?」
「はい、結構、結構」
「結構を連呼するな」
「……俺の香水使いますか?」
「ああ、貸してくれ」
「うぃっす」
まだ雅紀は出勤していない。
遅番だから、昼ぐらいに出勤する。
「大分、マシになりました」
「……フリスク攻めだな」
「ですね」
開店までの間、俺はずっとフリスクを齧った。
まだ、少し匂いが気になるから、俺は裏方の作業につく。
キムが外で商品整理をしていた。
夏樹、平気かな。
俺がこんな調子なんだから、夏樹も同じ感じのはず。
寧ろ、始発で帰って…きちんと帰れたのかな。
後で連絡しておこ。
商品の在庫表などを確認する。
あーこれが少ないな。
他の店舗にあるかな。
そんな事を思いながら、段ボールや、棚を見つめる。