花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「麻美の事、美化し過ぎてるんじゃね?」

「……美化、か」

「うん、だって、麻美と付き合ったって言っても…長くないだろ?」

「…まあね」


彼女だったのは、たった一日。

俺の麻美は一瞬にして、俺の目の前から消えてった。



「麻美ってそんないい女だったわけ?俺、あんま知らねえんだけどさ」

「…いい女だったよ」

「ふうん、どこら辺が?」

「どこら辺って」


恋滋は眉間に皺を寄せながら、更に続ける。


「確かに、見た目は綺麗だけどさ。
でも、綺麗な女なんてこの世の中、ごまんといるだろ?」



「うん、そうだね」

「だから、中身が余程いいのかなって思ったけど…ピンと来ないと言うか、なんつうか」


それから、恋滋は頭をぼりぼりと掻く。


まあ、麻美の事をそんな知らない人はそういう反応なのかもしれない。
ただの、レディースの総長だったってだけなのかも。
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