花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「畳み、完了っと」



そう言いながら、雅紀は畳んだばかりの洋服を手でぽんぽんとする。



「お疲れ」


「店長、今日は買い物ですか?」


「そー、なのに店に来るとか俺、店愛しすぎだよねえ」


「ははは、店長、JUN愛してますよね。
それも新作だし」


「…わかる?
あーあれも欲しいと思ってたから今買っちゃおう」


そう言いながら、陳列されているごつめのベルトを手に取る。
昨日入ったばかりの新作だ。




「ええ?店長、また買うんすか?
ベルト何本持ってるんですか!」


「…んー店開けるぐらい」


多分、40、50とか?



「ありすぎっす」



俺が真剣に見てると、電話を終えたキムが鼻歌混じりに戻って来た。
なんだ、機嫌よさそうだな。




「何、キム、なんかいいことあったの?」


「え?わかります?」




聞いて、聞いてって顔を前面に押し出して俺を見る。

しゃあない、聞いてやるか。

客もいないしな。

この時間帯の客足は少ない。
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