花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
ご飯を買ってから、休憩室の一番後ろに座った。
ポケットから携帯を取り出すと、何か来てるか確認をする。
一件のメールが来ていた。
今日の昼飯は梅とおかかのおにぎりとサラダ。
おにぎりを頬張りながら、メールを開く。
その相手に目を見張った。
相手は郁美ちゃんだったから。
【哲さん、あれからたくさん考えました。
どうしても、私は自分の見た哲さんが好きです。
だから、諦めたくないです。
迷惑ですか?】
……。
くしゃりと前髪を手で握ると、俺は再度メールに目を通す。
別に迷惑ではない。
だけど、その期待に俺は答えられない。
それだけ。
何も返信せずに携帯を閉じると、俺は残りのご飯を平らげた。
その日の仕事終わり。
雅紀に声をかけてから、従業員用通路から外へと出る。
そこにいたのは、侑美ちゃんだった。