花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「その後、総長から怒られましたけどね。
でも、総長の為なら、私人殺せましたから」
さらっとそんな事を言ってしまう郁美ちゃん。
ああ。
そっか、光の子達も花蓮と同じ様に絆があったんだ。
「あ、でも知ってます?麻美とうちの最後の喧嘩であった事」
「え?」
何も知らないんだあって顔をしながら、郁美ちゃんは俺を見ると続ける。
「麻美、総長刺そうとしたんですよ」
「え!?」
さ、刺す!?
麻美が?
誰を?光の総長を?
「あれにはびっくりしましたね。麻美がそういった道具使うとは思わなかったんで」
「………」
俺も相当驚いた。
麻美は真っ直ぐだったから。
そういったモノを使うなんて事、考えられなかったし。