花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「何を、って」
「んー私ならねえ。
ふざけんな、てめえ、このハゲ!って言ったる」
「あはは、ハゲって。朱美ちゃん」
「ねえ、哲さん。私を麻美だと思ってさ。
言ってみなよ」
「………」
朱美ちゃんは俺の前に真っ直ぐ立った。
朱美ちゃんを、麻美と思って?
麻美に言いたい事?
「………」
「………」
「………麻美」
「………哲」
麻美。
俺は朱美ちゃんの両肩にそっと手をかける。