花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「…麻美。
頼りなくて、ごめん。
麻美が寂しい想いなんて感じないぐらいもっと一緒にいてあげればよかった。
麻美を毎日毎日、思い出してる。
俺、麻美が忘れられないよ。
何をしてても、麻美を思い出すんだよ。
……本当に頼りなくて、…ごめん」


麻美への想いが、溢れて来て。


「いい子なんてたくさんいるのに、俺は麻美以外見えなくって。
……お願い、麻美。
戻って来て…」

「………」

「……ごめん、朱美ちゃん。
って、朱美ちゃん!?」


朱美ちゃんの目から、頬に流れる一筋の雫。


「ええ、朱美ちゃん!?」

「…哲、大好きだよ」

「………」

「…って、麻美なら言ってたよ。きっと。
大好きだって」

「……朱美ちゃん」

「哲さ…」


気付いたら、俺は朱美ちゃんを思いっきり抱き締めていた。
自惚れかもしれないって思ってた。

端々に少しずつ、感じていた。


朱美ちゃんが、俺"なんか"を好きかも知れないって事。
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