花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
少しずつ変わっていく心
自分から少し離すと、朱美ちゃんの顔を覗きこむ。
朱美ちゃんは恥ずかしいのか気まずそうに、少し顔を逸らす。
それに、ゆっくりと口角が上がる。
「…朱美ちゃんは、本当に綺麗」
「はあ?振った相手に何て事言ってるわけ?」
「俺、振ったの?」
「はああ???」
…何だこいつって顔で見ないでくれ。朱美ちゃん。
だって、朱美ちゃんってどこまでも自分より他人なんだ。
心が綺麗じゃないと、そんな事思えない。
俺の為に泣くだなんて事、出来ない。
「……ったく、てか抱き締められてる状況もおかしくね?」
「何で」
「つか、哲さんは私でなく、麻美が好きなんだろーが」
「…そうだけど、でも」
「でももクソもねーんだよ。離さねえと、喰うぞ」
「っ!」
それにビクっと肩を揺らす。
喰われるよりはまだ喰う方でいたいよ、俺。
やっと俺の腕から解放された朱美ちゃんは、ぶすっとした顔で俺が触れていた箇所を触る。
朱美ちゃんは恥ずかしいのか気まずそうに、少し顔を逸らす。
それに、ゆっくりと口角が上がる。
「…朱美ちゃんは、本当に綺麗」
「はあ?振った相手に何て事言ってるわけ?」
「俺、振ったの?」
「はああ???」
…何だこいつって顔で見ないでくれ。朱美ちゃん。
だって、朱美ちゃんってどこまでも自分より他人なんだ。
心が綺麗じゃないと、そんな事思えない。
俺の為に泣くだなんて事、出来ない。
「……ったく、てか抱き締められてる状況もおかしくね?」
「何で」
「つか、哲さんは私でなく、麻美が好きなんだろーが」
「…そうだけど、でも」
「でももクソもねーんだよ。離さねえと、喰うぞ」
「っ!」
それにビクっと肩を揺らす。
喰われるよりはまだ喰う方でいたいよ、俺。
やっと俺の腕から解放された朱美ちゃんは、ぶすっとした顔で俺が触れていた箇所を触る。