花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「どこがいいかな」
「んーがっつり定食か、ラーメン」
「あはは。了解」
それから俺はいつも行くラーメン屋に連れて行く。
店内はそう、広くない。だからテーブル席はなく、カウンターのみだ。
空いてる席に座り、二人並んで注文をした。
「聞き忘れたんだけど…哲さんさ、光とも繋がりあったの?」
「いや、なかったよ。最近知り合った」
「最近?」
「うん」
「…あ。もしかして告白されたってのそう?」
「あはは、よく憶えてたね、そう」
「うっわー。敵対チームにまで好かれる哲さんって何者だよ」
いや、俺もそう思うよ。本当に。
俺は関わろうとしてないのに、いつの間にか麻美が交わってくる。
それほど、麻美の存在はでかい。
「郁美ちゃんは俺にこの傷つけた女の子と一緒にいた子だったの」
「え」
にっこりとしながら右手を見せて言う俺。
それに固まる朱美ちゃん。
「そん時に好きになったんだって」
「はあ?意味わからん」
「本当にねえ?」
ぶっきらぼうに言う朱美ちゃんにクスクス笑う。
だって、朱美ちゃん尤もな事言ってるんだもん。